焦る私に、男性は腕を組んでから口を開く。


「朝ごはんは食べたのか?」


「朝ごはん……ああ、朝食ってそのこと?」


意味が理解できたうれしさに顔を上げると、

「そう言ってるだろうが」

なんだか怒られている気分になる。

もしかしたら少し変わった人かもしれない。

最悪な今日という日に、こういう人に出逢うのも無理はない。


「あ、まだです」


ヘラヘラと友好的な笑顔を作りながらも少し後ずさりをするけれど、ズキンとする足が痛んでしかめっ面になってしまう。