「道に迷ったのか?」

低い声で言う男性は、鋭い視線だけれどなぜか怒っているようには見えなかった。

古い平屋の家にしっくりくるスタイルで、まるでタイムスリップしたかのようだ。

「はい」と素直にうなずくと、

「そうか」

今度は声色までやさしく感じるから不思議。


「あの……駅はどっちに行けば――」


「朝食はとったのか?」


かぶせられた言葉に、

「へ?」

よく聞き取れなくて間抜けな答えをかえしてしまった。


なんて言ったのだろう?

 
チョーショクってなんのこと?