この最初で最後のデートの帰り、この場所で凪はわたしのことを『特別だ』と言ってくれた。
力強く抱きしめてくれた。気持ちが通じ合ったと確かに感じる瞬間が、そこにあった。
形のないものだし、なんの証拠もないけれど、あの時感じた喜びや感動は、傷ついていたわたしの心を優しく包み、こんなに安らかな気持ちにしてくれる。
今はもう、凪に感謝しかない。
ずっと一緒にいてくれてありがとう。
幸せな十年間をありがとう。
これからはもう別々の道を歩かなきゃいけないけれど、凪がわたしのことを忘れても、わたしは凪を絶対に忘れない。
そして、思う。
いつまでも、いつまでも、凪のことを愛してるよ。