凪と一緒に通学し、一緒に過ごした十年間が、たったひと晩で消滅してしまった。

その事実がわたしに重くのしかかり、わたしは息をするのもやっとのような状態だった。

後悔と悲しみと、喪失感とやり場のない怒りが入り混じって、心の中は嵐のように荒れ狂っていた。

この嵐をなんとか乗り切って生き延びなくては。そう思うほど、わたしは苦しかった。

きっと時間が解決してくれる。もう少しすればきっと、立ち直れる。

そう信じるしかなくて、今はただ息を潜めて、体を縮めて、心を硬く閉ざして。
なんとか時間が過ぎるのを待っていた。