そう言うと、満帆さんは家の中に入っていった。

「くるみ、大丈夫? 腕、痛くない?」

凪がわたしのことを気遣ってくれるのが申し訳なかった。

「満帆も動転してるんだ、許してやってくれ」

おじいちゃんもそう言うとため息をついて、家の中に入っていった。

「わたしは大丈夫だから」と凪に言いながら、これからどうなるんだろうと考えていた。

凪が満帆さんのことを忘れたままだったら、満帆さんと凪はまた離れて暮らすんだろうか。
一緒に暮らす機会は永遠に失われてしまうんだろうか。
わたしは親子の絆を引き裂いてしまったんだろうか。


そう思うと、わたしは怖くて怖くてたまらなかった。