「わかるよその気持ち私もポケットにいつも双眼鏡だもん」
『馬鹿か。お前と一緒にすんな』
私の声にアオは振り返ることなく罵倒を飛ばしてくる。3人は優しさの欠片もないアオの態度に肩を落としてしまっている。なるほどね、イケメンにこうもされると落ち込むわけね。
アオは呆れたように溜息をつく。私はちらりと彼女達を見て、それが目に入る。
「紙飛行機、ちゃんと作ってきてくれたんだね」
『え?』
彼女達の後ろに隠れてしまっていた紙飛行機を指さす。彼女達は戸惑いながらもそれを私達に差し出す。
「アオ何してんの、早く受けとんなよ」
『ん。』
「はーい、鍵は私達が頑張って探します。で、どこらへんが有力候補ってわかる?」
『・・・はあー』
思いっきり溜息をついて左手で顔を覆って俯くアオ。私はそんなアオをお構い無しに彼女達に問いかける。
彼女達は顔を向かい合わせて、“用意していたような”言葉を矢継ぎ早にぶつけてくる。