『それで依頼って?』
アオの正面、2人掛けソファーとその隣の椅子に腰掛けた3人は私達の会話に呆気を取られていた。だが、アオの声に思い出したようにあからさまにしょぼん顔になる。
「ちょっと、アオどいて」
『あーもう、お前はなんで茶々いれてくんだよ』
私は立ち上がってアオの元に行くが、私の席がない。おかしい、これはおかしい。
アオが座る1人掛けソファーを後ろからごつん、と蹴るとアオは鬱陶しそうに私を見上げて無碍にする。
「お前立てよ。邪魔だよ」
『どう考えてもハルのが邪魔だと思うけど』
私を見上げて面倒そうにそう告げてくるアオの頭を諦める代わりにスパン、と叩いてソファーの背もたれに頬杖をつく。
アオは溜息をつきながら彼女達に向き直る。その途中で私の腕を思いっきり叩いてきた。ほんっとありえないこいつ。
『あの、実は鍵を失くしちゃって・・・』
猫なで声子ちゃん、安田さんが落ち込んだような声色を落とす。両隣の友達もまるで自分の悲劇のように眉を下げて安田さんを見守る。