「ダブルデート作戦で、行きましょう!」
『ダブルデート、作戦?』
ぱちん、と指を鳴らして高らかな声を響かせる私に、こてん、と首を傾げる男子高校生2人。
「初デートが成功するように、ダブルデート作戦で私たちがさりげなく援護します。そして良い感じになった所で私たちは撤退!その後はもう彼女を思う存分めちゃくちゃにして下さい」
『め、めちゃくちゃになんてしないから!』
『あ、ぐちゃぐちゃっすね』
『ぐちゃぐちゃにもしない!そういうのはまだしない!』
真っ赤になって首を振る遠山先輩。アオは腕を組んで顎に手を当てていたが、私を見て無表情のまま気だるげに私に問いかけてくる。
『ダブルデートってハル意味わかってる?』
「は?なめてんの?」
『だって、俺らがカップルのフリするってことだろ』
「・・・・・・あ。」
『馬鹿だなお前とことん馬鹿だな』
冷めた目で私を嘲笑うアオに、やらかしたと固まる私。そうか、偽装カップルを演じなければならないのか。しかもよりによって1番その可能性のないアオと。