『あ、いや、その、食べたの結構前だから、』
「食べるのやっぱり早いですか?お弁当派?学食派?購買派?プロテイン飲んでました?」
『あ、の、ちょっと落ち着い、』
『あ、ゴリラ先輩だー』
「どこ!?」
アオが適当に窓に顔を向けてそう言うので私は双眼鏡を装備して窓へと走り出す。
『あれは放っといて下さい』
『え?あ、はい』
『それで、具体的にデートで何が悩みなんですか?』
私を放って男2人でデート計画が立ち始める。私も暫くバッティングをする勝部先輩を見つめる至福の時間を味わった後、アオの隣に戻る。
「ただいまー」
『おかえり、はいお手』
「お手」
『おかわり』
「おかわり」
『よくできました。はい飴ちゃん』
「わーい」
アオの隣に座ると、アオが無表情のまま淡々と私を犬扱いする。これはよくある私たちの日常の一部で、いつも通りに2人で一連の動作を熟し、遠山先輩へと視線を戻す。
『あの・・・愚問かもしれないけど、君たち付き合ってないんだよね?』
「『こいつと?ないわー」』
「真似すんな」
『それはこっちの台詞だばーか。つーかお前グモンの意味知ってんのかアァ?』
「知りませんけど何か?知らなくても会話成立しましたけど何か?」
『俺も知らなかったです安心しましたけど何か?』
『(この人たち、本当になんなの何がしたいの)』
話を戻して、遠山先輩のデート計画を立てるために色々と聞き直す。