ああ、今すぐにでも抱きしめて、アオの体温を感じて、香りも全て、何もかも、アオの全部を私の全部で受け止めたい。
そんな気持ちに駆られて、自分が殴り書きしたそれを思い出し、アオの右手に収まる私の紙飛行機をぶんぶんと大きな素振りで指さす。
「それ!開けて!読めー・・・!」
アオは涙まみれの顔で不思議そうに何度も首を縦に振った。そして紙飛行機を解いて、ただのルーズリーフに戻す。
ちなみに何度かアオが紙飛行機で鼻水を拭こうとしていたのを見ていたので後でぶん殴ろうと思います。
アオは“それ”を読む。そして一度私の方へ顔を向けると熱の篭った瞳で私を射抜く。かと思いきや、ぎゅ、とルーズリーフを握りしめて校舎に向かって走り出した。
私も屋上から走って校舎内に入り、一気に階段を掛け降りる。一分でも一秒でも早く、アオに会って大好きなアオに思いっきり抱きつきたい。
階段の踊り場についた時、向こうから上がってきたアオと視線が絡み合う。