──────────・・・とどけ!
紙飛行機は真っ直ぐ真っ直ぐ、迷うことなく寄り道することなく、ただ真っ直ぐと遠くのアオの方に飛んでいく。
そうして、こつん、と音もなくアオの後頭部に当たって落ちる。アオがゆっくりとした動作でそれを拾い上げた。
「──────ア、ッ、」
大声でアオの名前を呼ぼうとしたその瞬間、背中から物凄い突風が吹いて、無意識に身を固めて風に飛ばされないようにする。
「あ、」
だけど、私と違って数え切れないほどの紙飛行機たちは、そのまま風に乗り、私を追い越し、真っ直ぐとそれぞれがそれぞれに、個性豊かに屋上から飛び立っていく。