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「私、勝部先輩のことが好きです」









卒業式前の、ほんの僅かな時間を勝部先輩は私のために割いてくれた。






この後、体育館で卒業式が行われる。その外の体育館裏で、なんともありきたりな場所で、私は1年以上募らせたこの想いを勝部先輩にそっと伝えた。









『あ、その、俺は、』

「大丈夫です。わかってます・・・勝部先輩、私の名前を呼んでくれませんか?」

『名前?』

「──・・・青海って、1回だけ呼んでくれませんか」









真っ直ぐ頭の中に伸びた2本の赤い糸のもう1本。ちゃんと、自分の気持ちに答えを出して、誠心誠意込めて、向き合ってくれた人と私は同じ気持ちで向き合いたい。






勝部先輩はゆっくりと頷き、私の名前を初めて呼んだ。その力強い瞳に何度も夢中になったなあ、なんて口元が緩む。








『青海、さん』


「─────・・・ありがとうございます、先輩」

『あ、いや、』

「これで自分の気持ちにちゃんと確信を持つことができました」