「────私、勝部先輩に、ちゃんと、告白する」
声にしてしまえば、簡単なのに、迷い抜いた答えも、言った直後の激しい心音も、目の前のアオも、変化を明るみにした証明の如く、蠢き疼く。
アオは力が抜け切ったように、だらん、と手を重力任せに放ったが、暫くの沈黙の後、ゆっくりとその手を持ち上げて、そっと顔を覆った。
『・・・そっか・・・、』
その低音は掠れて弱々しく。
『うん・・・そうだよな・・・』
苦しそうに、それでもいつも通りのように振舞おうとする声。
『・・・ハル───・・・がんばれ』
それでも優しさを沢山詰め込んだアオの様々な感情を引っ括めた真っ直ぐな声に、喉がぎゅ、と苦しくなる。
「うん、頑張る。ありが、っ、」
アオを見つめ、返事の途中。伸びてきたアオの長い手に腕を掴まれてグッと力強く引き寄せられて。私の身体はアオに抱きとめられていた。
『・・・ごめん、もうニ度とこんなことしないから』
優しくて暖かくて不器用で、何もかも包み込んでくれるアオの身体に抱きしめられる。