「同じ瞳をしてたから。好きな人がいる瞳。そんな感じの瞳だったから」




たったそれだけを吐露して私は責任放棄の如く双眼鏡をより一層瞳の周りに食い込ませて先輩を一心不乱に見つめる。





『ハル』

「今超絶忙しい」

『ひま』

「うっさい忙しいっつってんだろ」





グラウンドから私の耳に滑り込むのは様々な青春をかき混ぜたような音。


そのどれよりも滑稽でどうでも良いのに、アオの踵を履き潰した上履きを擦って歩く音がやけに大きく耳に入り込む。




『・・・どーん』




そう、大層つまらなさそうな声を吐き出し、こつん、と私の頭に顎を載せて、ぐるりと再度首周りに腕を回される。


ふわりと香る洗剤の香りに、アオの匂いだと純粋に受け止める。



たった2人だけの空間に、アオハル部は、今もこうして、青春に混じって存在し続けている。それだけ。





恋する乙女は
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四六時中パンダ
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