「てっきり春なのかと思ってた」
『え?ああ、名前ね。母さんの名前に「春」が付いてるってだけだよ』
「そうなんだ」
『まあ紫春くんはお母さん譲りの超絶美人さんだけどね』
「・・・・・・。」
『頼むから無視はしないで泣きたくなる』
私の最寄り駅が次になって、アオの身体が私から離れる。アオからすり寄ってくるなんて中々ないものだ。声にはしていないが相当先程の出来事はアオにとって何か嫌なものがあったらしい。
電車が私の最寄り駅に着く。扉が開く寸前。今日私といた時間がアオにとってちゃんと楽しかったと思えるような時間になるように。
「アオ、誕生日おめでとう」
アオの霞んだ心を少しでも塗り替えられるようにと、呟いた。
「じゃあ、良いお年ッ、」
言い逃げするつもりで立ち上がりながら呟いた。それなのに、いきなりアオに腕を掴まれて引き寄せられる。ぽす、と座るアオに腕を引かれて上半身を落とした私はそのまま抱き締められた。
暖かくて、優しくて、呆れるほど不器用なアオ。
『──ハル、ありがとう』
私を抱き締めたまま耳元でそれだけ囁いたアオ。すぐに私を離し、扉の出口に向かって優しく押す出す。
その時見えたアオの微笑みは、本当の優しい笑顔で、それでいて、いつ壊れてもおかしくないような、弱った笑顔だった。
今のご時世煙突ないし
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防犯強化されてるから
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サンタよりも早く
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セコムの方が来てくれそう
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