クリスマスの日に終業式なんて何考えてんだよ状態な恋人有り側と、別にどうでもいいです側に分離した生徒達が集まって行われた終業式は、終始怠惰そのものだった。
終業式を終え、今すぐ破り捨てたい通知表を貰う。
先生の緩い話と冬休みの注意事項、あとは1月にある修学旅行について軽く話があったあと潔く解散になる。
『青海』
「夏子、昨日はほんとすみませんでした」
『いや別にいいよ。その話で故原くんと盛り上がれたし』
「そ、それは良かったです」
朝から寝坊した私は夏子と話す暇もなく、帰りの時間を迎えてしまった。と言っても終業式は午前中で終わるのでそんなに時は経っていない。
「夏子はさ、故原くんのこと好きなの?」
『んー・・・、今はまだ少し好きってくらいかな』
「そっか」
『っていうか、好きって明確にわからないし』
淡い桃色のマフラーをした夏子は私の机に寄り掛かり伸ばした足をクロスさせる。夏子のその気持ち、今は少しだけわかる気がする。
黙ったまま夏子を見つめていれば、夏子がこちらを見て、ゆったりと微笑む。
『青海は追ってばかりで隣に居てくれる人のこと、ちゃんと見たことなかったでしょ?』
私の口を噤んだ顔にくすり、と夏子艶やかに微笑む。