『そうだね、その通りだと思う。ありがとう、やっと彼女にぶつかっていけそうだよ。本当にありがとう。アオハル部さん』
「頑張って下さいね。──・・・応援、してます」
『俺は応援してないんで振られたら呼んでください。笑いに行きます。』
『あははっ、その時はよろしく』
毒づくアオさえも笑って流した勝部先輩。笑いながら、ふと軽い音を立てたスマホの画面を見て、嬉しそうに笑うと立ち上がった。他愛のない連絡だけで勝部先輩をこんなにも幸せにできるのは、きっと彼女だけだ。
『本当にありがとう。紙飛行機、後で届けてもいいかな』
「あ、はい。いつでもお待ちしております」
『ゴリラのなんていりませーん』
「アオ!」
『じゃあ、頑張ってきます』
勝部先輩は礼儀正しく頭を下げると部室を後にした。そこに訪れる静かな2人きりの空間。
まだ、頭も心も、整理なんてできていない。そんな気持ちのまま隣のアオに吐き捨てるように言葉を投げつけた。
「なんで勝部先輩にあんな態度とるの」
『俺はハルと違って素直なの』
「勝部先輩に失礼じゃん」
『だから?』
「勝部先輩が笑って流してくれたからいいけど、相手の気持ちもっとちゃんと考えなよ」
『あーあーうるさい』
「はあ?勝部先輩が傷つくと考えなかったわっ、」
隣のアオからいきなり腕が伸びてきて頬をぐにーっと優しく引っ張られる。でも、視線を向けた先、アオは力強い瞳で私を見つめては躍起になったその顔で私に詰め寄る。