『春井先輩・・・っ!青井先輩!』









と、大きな声が後ろから聞こえて振り返ると、わんわん泣きながら佳菜子ちゃんは私に飛びついてきた。いや、なんで私?






『春井先輩・・・ありがとうございます、本当にありがとうございます』

「え?いやいやいや、私何もしてないし、抱きつく方間違ってるんじゃ、」



私の身体に抱きついて泣く佳菜子ちゃんに問い掛けたのに、私の言葉を否定したのはアオだ。



『間違ってねーよ』

「え?」




それに首を傾げれば、アオは佳菜子ちゃんの頭を鷲掴みにして無理矢理顔を上げさせる。





『コイツは最初っからハルが狙いなんだよ』

「・・・・・・え?」

『だからいつも傍にいる俺が邪魔で隙あらば俺を除外しようと邪魔してきたんだよ』

「え?は?ん?え?どういうこと、え?佳菜子ちゃん・・・?」







アオの言葉が信じられず佳菜子ちゃんの顔を見れば、アオを怖い顔で睨みつけている。その顔は好きな人に向ける顔じゃない。







『・・・・・・春井先輩のことずっと憧れてて、かっこよくて、春井先輩に近づいて隣にいたいのに・・・なんか変なのいるし、』

『待って待って変なのって俺?殴っていい?こいつ殴っていい?』

『青井・・・超邪魔だった』






めちゃくちゃ毒づく佳菜子ちゃんの新たな一面を知り、固まる私。その隣で相当お怒りで、お怒り過ぎて逆に笑顔なアオ。