もごもごと視線を逸らす私に艶やかなアオの言葉が落ちてきた。図星なそれに視線を上げようとした瞬間、わざわざお出迎えしてくれたアオが私の顔をのぞき込んで見つめてくる。








ずばり言い当てられたことに腹が立って、その綺麗な顔面に無言でグーパンチする。アオは不意打ちなそれを諸に食らって、口を開いて頬を抑えた。








『はあ!?なんで!なんなの今の!意味わかんないんだけど!』

「なんか、ムカついたから」

『ムカついたら人を殴っていいんですかぁー?お母さんはハルちゃんにそんな教育してましたかぁー?』

「うっざ黙れよ下衆」

『ああーほらまた都合が悪くなるとすぐ罵倒でしょ!アオくんの心の痛み考えたことありますか?』

「どこの乙女だお前は」

『うん俺ハルよりは絶対女子力ある。俺のが可愛いし』

「ふぁぁあっく!!!」







職員室に資料をコピーするためだけに行ったはずなのに帰ってくるのが遅いとお互いそれぞれの教室で叱られたのは言うまでもない。






◇ ◇ ◇




──文化祭当日──








『次ー、3人組の子入るよー』

「あーい」









文化祭は大盛況中である。天気も良いし、お化け屋敷なのにお客さんがあとを絶たず入ってくる。