『えーと、』


両手を腰に当てて頭を揺する眉間にシワの寄った故原くん。


『ううううー、』


片手で顔を覆って唸りを大きくする故原くん。


『ええー?』


答えが全く見つからないのか首を傾げて戸惑う故原くん。


『・・・ねえ俺本当に平野ちゃんって言った?』


「『言ったつってんだろ。」』

『うわ怖っ!』







私とアオの鋭いダブル突っ込みに体操着を抱きしめて泣きそうな顔になる故原くん。うわこれあれだ、無自覚な奴だ1番めんどくさい奴だ。どうしようかなあ、なんて思っていれば隣の生粋なる馬鹿が爆弾を落とす。








『平野さんのこと好きなの?』









淡々と述べられたそれにキョトンとする故原くん。私が無言でアオの腕を抓れば、隣の馬鹿はビクッと身体を跳ねさせて私を睨みつけた。









『・・・え?俺・・・平野ちゃんのこと・・・好きなの?』

「いや落ち着いて故原くん」

『待って・・・・・・“好き”って・・・なに・・・?』

「ほら馬鹿アオのせいで故原くんがショートしたじゃん!」

『俺のせいかよ』






私の声を鬱陶しそうに耳を塞いで閉ざすアオ。目をバチバチさせて泡吹きそうな故原くんの肩を抑えてがくがく揺する。このままじゃショートして戻ってこれないかもしれない。