アオはじっと、そんな蓮見くんを見つめていたがふと切なそうに無表情のまま言葉を紡ぐ。









『別に俺らがその問題に首突っ込んで先輩方ぶっ潰すのは構わない』

「(アオぶっ潰せるの、?)」



『けどさ、お前はその後、前みたいに長瀬って奴に話しかけられんの?笑えんの?』

『っ、』

『苦しんでる時は結局何もしてやらなかったくせに、問題が解決したら何食わぬ顔でそいつの隣歩けんの?』

「・・・・・・」








何かを辿るようにアオは真っ直ぐ、ただ真っ直ぐ寄り道する暇なんて与えないほどに蓮見くんに言葉を突き刺す。だけど悲しいほどに優しいアオの声に、彼からは涙が落ちていた。









『───それってさ、何ひとつ解決してないと、俺は思うんだけど』









その通りだな、と思ってしまった。そう思ってゆっくり頷きながら目の前の蓮見くんを見つめる。






蓮見くんはぼたぼた、と涙を大粒零しながら苦しそうに、ずっとずっと抱え込んでいたそれらを全部絞り出すように小さい嗚咽を混じえて泣いた。