『そんなハルさんに悲報ですが、』
穏やかな低音を私にだけ響かせて、アオは私の額に置いていた人差し指をそっと離した。
『──俺はハルにどんなに嫌われようが何だろうがハルから離れるつもりはないです』
その優しげで何処か切なげな顔に何かが溢れ出して、もう去ろうとするアオの制服の裾をぐっと引っ張る。
『・・・ハル?』
私のそれに気づいたアオは振り向いて、不思議そうに私の顔を覗き込む。その真っ直ぐで綺麗な双眸を睨みつけるように見て、ばっと目を逸らして呟く。
「・・・ただの朗報じゃん」
『っ、』
その瞬間、視界の端に見えていたアオの右手がバッと勢いよく消えてそれを辿れば私の視線は、アオの顔に移った。
その大きな右手で口元を覆われた顔があまりにもヘタレで、赤い耳が可愛いと思ってしまった私は思わず笑って、「ごめんね」とアオに素直に謝った。
夏休み明けの
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クラスメイトとの
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忘れた距離感を
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取り戻すのが意外と大変
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