アオは私を見つめて暫く黙っていたが、唇を1度強く結ぶと、冷めたような、何も読み取れない表情で、瞳で、私を鋭く突き刺した。








『・・・あっそ。ハルにはそう見えてたわけね、よくわかった』







冷たく降り注がれる声に、自分の方がよっぽどきつい言葉をぶつけたくせに苦しくなる。苦しくなって思わず逃げるように俯いてアオから視線を逸らした。










『でも安心しろよ。もう二度とハルとは───、』








ああ、とうとう言われる。と目をギュ、と瞑って耳を塞ぎたくのを必死で耐えてアオの言葉を待つ。待つことしかできない。この台詞を言わせるような悪いことをしてしまったのは、私だ。












『二度とハルとは────・・・、』

「(関わらない、)」

『ハルとはもう二度と──、』

「(口を聞かない、)」

『俺は、ハルとは二度ともう、本当に二度と・・・、』

「(・・・・・・ん?)」

『二度と・・・、二度とハルとは・・・・・・、──おい、ごめんね言うなら今のうちだぞ』

「・・・は?」




予想通りの言葉をアオに寸土目されて驚きで顔をあげれば。




『ああもう、急かしてごめんて。怒んなって』




アオは弱ったような顔をして私に切実に謝ってきた。







「・・・アオ悪くないじゃん」

『いやうん、俺悪くないのは知ってる。ハルが馬鹿。俺めっちゃ傷ついた』

「・・・だったら怒って、許さなくていいのに」

『俺だってそうしたいよ』








だったらそうすればいいのに。とアオが言いたいことが分からずに眉間にシワを寄せれば、アオの人差し指が、その眉間にぴと、と置かれる。