アオの腰を思いっきり叩いて黙らせる。コイツは朝から何を言おうとしてんだくそかクズか。アオは腰を抑えながら無言で私を睨みつけてはそのまま私の頭を殴る。
南ちゃんはそんな私達に気にもせず何か考え込んでいたがふと閃いたように顔を明るくさせる。
『ねえねえそしたらさ!あたしが清楚系黒髪うるるん系女子になったら目立つ?』
「え?まあー、物凄い逆変化に暫くは注目されるかもね」
『でも目立ちはしないんでないの』
『ええええ、それじゃだめなの目立たないと!』
南ちゃんは笑顔から一転、私達の言葉に慌てたように首を横に振る。その顔は何かにすがり付くように必死だ。
「そんなに目立ちたいの?」
『・・・だって、目立たなきゃ意味無いもん』
しゅんと悲しそうに俯いた南ちゃん。どんなに派手な格好をしていたって、ただの17歳の高校生の女の子で、やっぱり背伸びしたようなその見た目はお世辞にも似合ってるとは言えない。
『“目立ちたい”んじゃなくて“見てほしい”んじゃないの』
アオの言葉がストンと落とされ、目の前で俯いていた南ちゃんの表情にぐっと力が入る。それは図星の合図だ。