『ちょちょちょっ、1人にすんなよマジで。今放置プレイとか要らないから。別にこれあれ怖がってる訳じゃなくてあれだから、あれ、お供プレイしたいだけだから』
「あっそ離れて変態」
『別にハルの生足にキュンともスンともしないから安心して』
「ぶっ飛ばす!」
喧嘩になりそうな所で設楽会長の咳払いが聞こえて、ハッとする。アオを乱雑に振り払ってさっさと歩き出せば結局アオも慌てて着いてきた。
「すみませーん」
あんだけアオは騒いでたけど、オカルト部の部活も私達と同じ棟にあるため階段を降りて、ほんの数分でつくのだ。
コンコン、と重い扉をノックすれば暫くしてからギィと扉が少し開く。薄暗い部屋から顔を半分だけ覗かせた見るからにオカルト部員さん。
『暗号を』
「は?いやあの、ちょっと話があって」
『部室に入るためには暗号を』
『〈味噌バターコーン小さいお皿付きで〉』
真顔で淡々とそして自信満々に言い切ったアオの暗号は多分一文字も掠っていない。間髪入れずに否定されたのが証拠だ。
『全然違います』
「え?なんで?なんでアオそれ言ったの?馬鹿なの?アンタ逆にすげーわ」