アオハル部を創って、こうして勝部先輩を見る毎日が堪らなくキラキラしてた。馬鹿みたいに必死で追いかけたその人が忽然と居なくなるなんて、考えたくもない。



黙りこくったままの応答のないアオに構わず、背を向けたまま本音を零す。





「明日、優勝候補と試合なんだって」

『・・・あっそ』





声が弱々しくなってしまったのは、もしかしたら、明日が勝部先輩の高校最後の試合になってしまうかもしれない、なんて心のどこかで冷静に受け止めてしまったから。




1年以上、ひたすら彼だけを追いかけ続けてた。それは限りあるものなのに、あまりにもありきたりな日常に紛れ込んでいたせいで、ずっと続くんじゃないかなんて思ってしまっていた。





『ハル』

「・・・・・・」

『ハルってば』

「・・・あんだと空気読めよ私今感傷中なんだよ」

『いやいいから廃部にされる前に振り返って現実見て』

「はあ?」





と、振り向いてアオを視界に捉える手前、この部には違和感しかないその姿を見つけて、しっかり認識した瞬間身体が固まる。




『君らは一体、何してるんだ』




2人掛けソファーに座って少女漫画を堂々と読み耽るアオの隣で仁王立ちするこの学校の大王様、設楽生徒会長。