いつもなら置きっぱなしの教材を急いで鞄に詰め込む。出口でズボンのポケットに手を突っ込んで面倒そうに扉に寄り掛かるアオの元に向かう。
『ハル古典のノートちゃんと取ってる?』
「取ってると思う?」
『聞いた俺が馬鹿だった』
2人で廊下を歩きながら今日は部室ではないところに向かう。隣のアオの鞄もぱんぱんで、少女漫画ではないのを密かに願う。
もしかしたら職員室よりも厳格な雰囲気を漂わせるその前に着いて、少し背筋を伸ばす私と違ってアオは思いっきり扉を開けた。
『頼もー』
なんて開けた瞬間にアオの間延びした大きな声が部屋中に響く。そして部屋の中にいる如何にも頭の良さそうな生徒達の視線がぐっさり突き刺さる。
『・・・何の用だ、おふざけ部の2人が』
『生徒会長さんには用ないんでキャラメルでも食べて歯抜けてて下さい』
生徒会室に入った瞬間、アオハル部が大嫌いな生徒会長の設楽先輩が突っかかって来た。
『青井は人を侮辱す、』
だが、アオは適当にあしらう。
『あ!いたいたいた山吹先輩、アンタを探してたんだよ』
ブチ、と設楽先輩の怒りが空気を張り詰めさせる。それに気づいていないのか、気づいていても無視しているのかアオはにかにかと笑いながら山吹先輩の元に行く。
『山吹先輩、俺らとオベンキョーしてください』
『あ、あの、』