それはこの学校で1学期の締めとなる行事の1つだ。いつも閑散とした職員室横に今日は人が群がる。
そしてそこに、腕を組んで目を輝かせて堂々と立つやけに綺麗な顔立ちの美男美女。
『ねえ、もしかしてあの人達が青井くんと春井さん?』
『うん、前に先輩が喋ってた。てゆーかさ、成績優秀者なのかな?』
『絶対そうでしょ。張り出される前からあんな所陣取ってるんだもん』
『美形で頭も良いとか凄いね。もしかして2人で1位と2位競ってたりして?』
なんて、後ろからひそひそと話す声が幾つが聞こえるが私もアオも微動だにしない。その代わりにアオの声が私に向けて飛んでくる。
『覚悟はできてるか?』
「もちろん」
私の意気揚々とした返事に隣から軽い笑い声が飛んできたと同時に教員が職員室から大きな紙を持って出てきた。
─中間テスト前日─
『ハルー、置いてくぞー』
私のクラスの扉からひょこっと半身を覗かせて、私に声を届けるアオ。いきなりのアオの登場に帰宅準備をするクラスメイト達が騒がしくなる。
「ちょっと待ってて」
『無理3分しか待てない』
「インスタントラーメンかよ」
『違うウルトラマン』