アオはやり返しの如く、ぐっと私の頬を鷲掴みにすると、挑発的に私と視線を交わらせてくる。出口のないアオの瞳は捕まったら最後。
『──奇遇だね。俺も、ハルのことはたまらなく可愛いと思うよ』
「は、!?」
『まあ、真奈美ちゃんは狂うほど可愛いと思うし、さっきの静川さんも普通に可愛いと思うけどね』
「かっる!チャラ!」
『いや真奈美ちゃん一途だから』
「黙れくたばれクズ」
アオは相も変わらず私をからかうように笑う。
唐揚げのないお弁当は
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なんだか寂しい
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気がしなくもない
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