『ワルモノー!お姫様を離せーっ!』
『そんなんで離すならワルモノじゃねーんだよばーか!』
『あ!馬鹿って言っちゃダメって隆也先生が言ってたぞ!』
『マジか隆也先生ごめんなさい』
「随分素直なワルモノだなおい」
わーっと走って来るヒーローの男の子達を容赦なく振り払うアオ。私も一応お姫様ぶってみる。
「助けてーヒーローッ!このワルモノを蹴飛ばして踏み潰して切り刻んでシュレッダーにかけてぇーっ!」
『お姫様うるさい!』
「ごめんなさい」
『助ける価値ねえお姫様だなおい』
ヒーロー達に侮辱されて黙り込む私を馬鹿にしたように笑うアオに無言のまま脇腹を殴る。
『うぐっ、』
『お!ワルモノが弱ってきたぞ。今だー行けーレッドーっ!』
男の子達の声に遠くから全速力で走ってきたケンタくんはアオのお腹にパンチする。可愛らしいパンチだけど、アオはもちろんここで倒れるはずだ。
『・・・はっ、そんな軽いパンチで俺が倒せるとでも?』
こいつマジでなんなんだよ。空気読めよ。と怒りの余りアオの脇腹をもう1度更に力を強めてぶん殴ると今度こそ倒れたアオ。
『わーいっ!やっつけたぞー。さすがレッド!』
『いやレッドじゃなくて俺はお姫様に殺ッ!』
脇腹を抑えたまま倒れ込んで要らぬことを言おうとしたアオの頭を蹴飛ばして黙らせる。