『嫉妬ほど醜いものはないと思う。どうして“羨ましい”で終わらせられないかな?』
やっぱり、見抜かれていた。それでもいざその事実を突きつけられると、まるで物理的にぶっすりと胸を刺された気分になる。
『嫉妬は人を歪ませ狂わせる。あ、また鍵失くしたら大変だからさ、すぐ探せるように網でも持ち歩けば?』
「っ、青井く、ん、」
笑顔を“つくって”いた彼が私の声にすっと無表情になった。剥がれ落ちた仮面の奥は怒り狂った瞳。その瞳で私を捉え、全てを、拒絶した。
『───次、ハルになんかしたら、』
春井さんが引き止めた『あの時』の言葉の続きを紡ごうとする青井くん。その声はただただ真っ直ぐに春井さんのためだけに落とされる。
『──・・・どうなるか、わかってんだろうな?』
ぐっさりと私にトドメを刺す。ぐっと一瞬だけ私と距離を縮め、それだけ吐き捨てると青井くんはすぐさま踵を返す。