「まず、見た目は、清楚な感じっていうの? 黒髪のストレートのロングで」


その言葉が、とすっと胸に刺さる。

私はほんのり茶色に染めていて、軽くパーマをかけたボブだ。

高田くんの好みとは正反対……。


「服は白とか淡いピンクとかのきちっとしたワンピースとか」


ファッションまで正反対だ。

私は黒とか青とか、濃いめの色を着ることが多いし、ワンピースなんてほとんど持っていない。

いつもTシャツにジーンズというラフな格好だ。


「顔は眉毛とかきりっとした感じの知的な美人さんが好みかな」


私は昔から童顔と言われていて、今でもたまに高校生に間違われたりする。

つまり、高田くんの好きな顔では全然ない。


「……そう、なんだ」


ちょっと泣きそうになりながらも、私はなんとかそう相づちをうった。


高田くんが私を多少は好ましく思っている、なんて、とんだ勘違いだったらしい。

彼は誰にでも優しく親切なだけなんだ。


しょんぼりしていると、高田くんがふいに「でもさ」と声をあげた。


「好きなタイプって訊かれたらいつもそう答えてたのに、不思議なもので、全然タイプのちがう加藤さんを、すげー可愛いとか思っちゃうわけで」