私はとりあえず上履きを取り出して、立ち上がって履き替える。
かがんでローファーを靴箱の中に入れながら隣を見あげると、吉岡さんが封筒を裏返して送り主を確かめていた。
「うわー、男子からだ。まじでラブレターじゃん。こんなの書くやつ本当にいるんだ!」
彼女はそう言っておかしそうに笑った。
それから私に封筒を手渡して、
「ちょっと開けてみてよ」
「え……でも、」
「早く!」
有無を言わさぬ口調で言われて、私は頷くしかなかった。
封筒に目を落とし、裏返す。
封はされていなかった。
開いて、折り畳まれている便箋を中から取り出す。
ちらりと吉岡さんを見ると、「開いて、読んで」と言われた。
――『君に一目惚れしました』
いちばん初めに飛び込んできた言葉は、それだった。
とても端正な筆跡で、一字一字、確かめるように丁寧に書かれている。
私は唇を開いて、
「……『君に一目惚れしました』、だって」
と彼女に伝えた。
「あははっ、うける!」
からからと笑った彼女はそれから、
「よかったねー。ラブレターおめでとう」
とにやにや笑いながら私に言った。
私は俯いて、
「そんなわけないよ……だって、それは、吉岡さん宛てでしょ」
と答えた。
「あははっ、分かってたんだ。残念だったねー」
「………」
かがんでローファーを靴箱の中に入れながら隣を見あげると、吉岡さんが封筒を裏返して送り主を確かめていた。
「うわー、男子からだ。まじでラブレターじゃん。こんなの書くやつ本当にいるんだ!」
彼女はそう言っておかしそうに笑った。
それから私に封筒を手渡して、
「ちょっと開けてみてよ」
「え……でも、」
「早く!」
有無を言わさぬ口調で言われて、私は頷くしかなかった。
封筒に目を落とし、裏返す。
封はされていなかった。
開いて、折り畳まれている便箋を中から取り出す。
ちらりと吉岡さんを見ると、「開いて、読んで」と言われた。
――『君に一目惚れしました』
いちばん初めに飛び込んできた言葉は、それだった。
とても端正な筆跡で、一字一字、確かめるように丁寧に書かれている。
私は唇を開いて、
「……『君に一目惚れしました』、だって」
と彼女に伝えた。
「あははっ、うける!」
からからと笑った彼女はそれから、
「よかったねー。ラブレターおめでとう」
とにやにや笑いながら私に言った。
私は俯いて、
「そんなわけないよ……だって、それは、吉岡さん宛てでしょ」
と答えた。
「あははっ、分かってたんだ。残念だったねー」
「………」