体育祭の前日の金曜日、本当にぎりぎりでTシャツが出来上がってきた。わたしは教室で応援団のメンバーに渡すために、法被、Tシャツ、はちまき、小物なんかを検品しながら1セットにしていく作業をしていた。
と、がらりとドアが開いてえれなたちが顔をだした。
「Tシャツ、できたんだって? 見たい!!」
「あ、うん、ここにあるよ」
うすい水色のTシャツにあの日の真っ青な空と、颯太くんの指がプリントされたTシャツを見て、えれなが歓声をあげた。
「わー、いいじゃん! なんかすっごいいい写真だね、これ!」
「ほんと? よかった」
「理緒が撮ったの?」
「そう。スマホで」
「これは、誰の手?」
「団長」
「颯太? ……ふーん」
えれなは唇をとがらせて、しかめっ面になった。わたしに颯太くんへの気持ちをカミングアウトして以来、えれなはわかりやすくやきもちやくようになった。
多分、我慢しているよりは、気持ちが楽になるんだろう。やきもちのやき方も、わたしが余計な気をつかわなくてはいけないようなものではなくなって、わたしにとっても楽だった。
「なに?」
「またふたりでなんかやってたんだなって思って」
「えれな……あのね、焼きもちやくひまがあったら、手伝って」
わたしはあきれた顔をしてみせた。
えれなは颯太くんの計画を知らない。えれなに思いを伝えるために頑張ってるってことがわかったら、どんなに嬉しいだろう。
こんな風にわたしなんかにやきもちをやいていたことが、笑い話になる日が来る。
と、がらりとドアが開いてえれなたちが顔をだした。
「Tシャツ、できたんだって? 見たい!!」
「あ、うん、ここにあるよ」
うすい水色のTシャツにあの日の真っ青な空と、颯太くんの指がプリントされたTシャツを見て、えれなが歓声をあげた。
「わー、いいじゃん! なんかすっごいいい写真だね、これ!」
「ほんと? よかった」
「理緒が撮ったの?」
「そう。スマホで」
「これは、誰の手?」
「団長」
「颯太? ……ふーん」
えれなは唇をとがらせて、しかめっ面になった。わたしに颯太くんへの気持ちをカミングアウトして以来、えれなはわかりやすくやきもちやくようになった。
多分、我慢しているよりは、気持ちが楽になるんだろう。やきもちのやき方も、わたしが余計な気をつかわなくてはいけないようなものではなくなって、わたしにとっても楽だった。
「なに?」
「またふたりでなんかやってたんだなって思って」
「えれな……あのね、焼きもちやくひまがあったら、手伝って」
わたしはあきれた顔をしてみせた。
えれなは颯太くんの計画を知らない。えれなに思いを伝えるために頑張ってるってことがわかったら、どんなに嬉しいだろう。
こんな風にわたしなんかにやきもちをやいていたことが、笑い話になる日が来る。