日曜日、わたしは家でひとりはちまきの仕上げをしていた。

青いサテン地に白い糸で刺繍された『2016 WE ARE BLUE』の文字が映えて、清々しいイメージ。悪くない仕上がりだった。

このはちまきをして、法被を着て、演舞する颯太くんを思い浮かべた。きっとかっこいいんだろうな。一年生の女子や、他校から見学に来る女子がみんなきゃあきゃあ言うのが目にうかんだ。
でも颯太くんの気持ちはえれなにあるんだ。えれなに告白するために、颯太くんはがむしゃらにがんばるだろう。

告白されて驚くえれなの顔が浮かんだ。よかったね、えれな。わたしは小さく呟いた。わたしなんかに変なやきもちやいちゃうくらい、颯太くんのことが大好きなえれな。
颯太くんがいままで積み重ねてきたことをやりきって、総合優勝して、えれなに告白できるように応援してあげなきゃと思った。

ちゃらちゃらしているように見えて、責任感のある颯太くん。軽そうに見えて、やるべきことをちゃんとやる颯太くん。

ふたりが幸せに笑う姿をわたしも見たい。