「やれることはやってんだけどさ、まだ足りないんじゃないかってすごい怖くなったりもするんだ。だからって欲張って手を広げすぎると、中途半端になりそうだし」

「うん……」

「だから、どっかで覚悟きめて今練習してることを完璧に仕上げようって思ってはいるんだけどな。でも、他の軍も一生懸命やってるのわかってるから。ほんと焦る」
「そっか……」

颯太くんは淡々と話していたけれど、だからこそ心の中では本当に不安でいっぱいなのだと伝わってきた。

「……でも、応援合戦で点がとれなかったとしても、誰も颯太くんを責めたりしないと思うよ。どこも必死なんだし、しょうがないよ」

「まあ、みんな優しいから、責められたりはしないだろうけどさ。でも、俺がいやなの。俺が団長やらなかったら、勝てたかも、とか思うのが一番やだ」

そこまで話すと颯太くんはやっとたこ焼きを口にいれた。

もぐもぐと口を動かす颯太くんの横顔を見ながら、わたしはなんて言えばいいのか考えていた。