「えれな」
「うん」
「前から何度も言ってるけど、なんでいつも颯太くんと話してると思う?」
「……衣装係だから?」
「だよね。わたし、誰のせいで衣装係やってると思う?」
「………」
えれなは受話器の向こうで黙ってしまった。
わたしは返事を待ちながら、少し驚いていた。
えれなは本当に颯太くんのことを好きになったんだ。
いままでえれなから恋の相談をうけたことはあったけど、えれなが好きになって片思いしてる、とか、思いが通じなくて苦しいとか、そういう相談はうけたことがない。
そんなえれなが、颯太くんのことでこんなに不安な気持ちになっているなんて、しかもわたしなんかを相手に気をもんでいるなんてと思うと、驚きしかなかった。
「じゃあ、理緒と颯太は付き合ってないのね」
「ないってば」
「……理緒は颯太のこと、好きじゃないのね?」
念押しされたのが、心外でわたしはきっぱり答えた。
「好きじゃないよ。衣装係で団長に確認とらなきゃいけないことがたくさんあるから、話してるだけでしょ」
「そっか……ならいいんだ」
その言葉に心からの安心感がこもっていて、わたしは思わず笑ってしまう。
わたしが笑ったので、えれなはすねたようだった。
「うん」
「前から何度も言ってるけど、なんでいつも颯太くんと話してると思う?」
「……衣装係だから?」
「だよね。わたし、誰のせいで衣装係やってると思う?」
「………」
えれなは受話器の向こうで黙ってしまった。
わたしは返事を待ちながら、少し驚いていた。
えれなは本当に颯太くんのことを好きになったんだ。
いままでえれなから恋の相談をうけたことはあったけど、えれなが好きになって片思いしてる、とか、思いが通じなくて苦しいとか、そういう相談はうけたことがない。
そんなえれなが、颯太くんのことでこんなに不安な気持ちになっているなんて、しかもわたしなんかを相手に気をもんでいるなんてと思うと、驚きしかなかった。
「じゃあ、理緒と颯太は付き合ってないのね」
「ないってば」
「……理緒は颯太のこと、好きじゃないのね?」
念押しされたのが、心外でわたしはきっぱり答えた。
「好きじゃないよ。衣装係で団長に確認とらなきゃいけないことがたくさんあるから、話してるだけでしょ」
「そっか……ならいいんだ」
その言葉に心からの安心感がこもっていて、わたしは思わず笑ってしまう。
わたしが笑ったので、えれなはすねたようだった。