その日の夜だった。

今日とった写真をもとに、Tシャツのラフデザインを描いていると、えれなからLINEがきた。

【理緒に聞きたいことがあるの】

 えれなにしてはめずらしく、絵文字もスタンプもないシンプルな文章だった。何かあったのかと、すぐにLINEを返す。

【なに? 】

【……】

【なにかあった?】

【へんなこと聞いて悪いんだけど】

続きがあると思って待っていたけど、だいぶ間があいた。
基本、えれなは担当直入だから、こういうのって珍しい。

【なに? どうしたの? なんでも聞いて】 

それでもしばらく間があいた。わたしは今度はせかさずに、返事がくるのを待っていた。と、メッセージが飛び込んでくる。

【理緒と颯太ってつきあってるの?】

「え?」

 LINEのやり取りなのに、思わず声が出てしまう。
 そして、えれながためらっていた理由がわかって、よけいあわててしまう。えれな……勘違いもいいところだ。つきあってるわけない。恋してるわけじゃないんだから。

わたしはすぐえれなに電話をかけた。1回もコールしないうちにえれながでる。