はちまきだけでも完成させられたら、と思っていたけど、五時を告げるチャイムが鳴ったとき、あと少し作業が残ってしまった。
まあまだ時間はあるしと、今日のところはおひらきにして、みんなで片付けをしたあと、わたしは家庭科室の鍵を返しに職員室に向かった。するとそこに応援団の練習を終えて、先生と話している颯太くんがいた。
わたしが鍵を鍵置き場のフックにかけて職員室をでると、颯太くんが追いかけてきた。
「理緒、これやるよ」
「なに?」
颯太くんが鞄の中から出したものを見て、わたしは驚いて小さな歓声をあげた。
それはあるコンビニのPBブランドのスイカ味のドリンクだった。夏限定アイテムで、スイカが大好きなわたしは発売される時期がくるのをいつも心待ちにしているのだ。
「もう出てたの?」
「さっきコンビニ行ったら、あったんだ。珍しいから買ってみた」
颯太くんが差し出してくれたペットボトルにわたしは飛びついた。
「えーうれしい! 飲んでいい?」
渡辺さんに差し入れてもらったミルクティーはこっそり鞄の中にしまいこんでいた。でも、作り方を教えたり、指示を出すためにわたしにしては大きな声を出していたから、実はのどがからからだったのだ。颯太くんの返事も待たずに、わたしはキャップをあけ、ごくごくとのどをならしてそれを飲んだ。
まあまだ時間はあるしと、今日のところはおひらきにして、みんなで片付けをしたあと、わたしは家庭科室の鍵を返しに職員室に向かった。するとそこに応援団の練習を終えて、先生と話している颯太くんがいた。
わたしが鍵を鍵置き場のフックにかけて職員室をでると、颯太くんが追いかけてきた。
「理緒、これやるよ」
「なに?」
颯太くんが鞄の中から出したものを見て、わたしは驚いて小さな歓声をあげた。
それはあるコンビニのPBブランドのスイカ味のドリンクだった。夏限定アイテムで、スイカが大好きなわたしは発売される時期がくるのをいつも心待ちにしているのだ。
「もう出てたの?」
「さっきコンビニ行ったら、あったんだ。珍しいから買ってみた」
颯太くんが差し出してくれたペットボトルにわたしは飛びついた。
「えーうれしい! 飲んでいい?」
渡辺さんに差し入れてもらったミルクティーはこっそり鞄の中にしまいこんでいた。でも、作り方を教えたり、指示を出すためにわたしにしては大きな声を出していたから、実はのどがからからだったのだ。颯太くんの返事も待たずに、わたしはキャップをあけ、ごくごくとのどをならしてそれを飲んだ。