颯太くんはいろいろ言ってくるけど、わたしは颯太くんとの距離の近さが気になって、とても曲になんて集中できなかった。イヤフォンから聞こえて来る曲より、私の中から聞こえてくる心臓の鼓動のほうが音が大きい気がしてしまって、颯太くんに聞こえたらどうしようと、わたしは胸をおさえた。
颯太くんが何か言ったのに、いまいち耳に入ってこなくてわたしは聞き直した。
「なに?」
と、颯太くんがふてくされた顔をして言った。
「なに話してたの」
「え? なにって?」
どうして颯太くんが不機嫌なのかわからなくて、わたしは戸惑っていた。
「先輩と。なんかスマホ見て、話してたじゃん」
「Tシャツにする写真のこと。意見をもらったの」
颯太くんの目が探るようにわたしを見た。わたしが嘘をついているんじゃないかと勘ぐるような目をしているので、わたしは「ほんとにそれだけなんだけど……」といいわけがましく呟いてしまう。
「……なんで、俺に聞かないの」
「え?」
「理緒は青軍の衣装係でしょ。団長は俺でしょ。なんで俺の意見聞きにこないの」
颯太くんは駄々をこねる子供みたいだった。わたしはなんでそんなに不機嫌なのかわらなくて、とにかく質問にこたえた。
「だって、練習中だったし…。とりあえずの意見として」
「ふーん。……それ以外はなんか話した?」
「それ以外?」
わたしがそれ以外に、なにを渡辺さんと話すことがあるんだろう。逆に颯太くんに質問したいくらいだった。
颯太くんが何か言ったのに、いまいち耳に入ってこなくてわたしは聞き直した。
「なに?」
と、颯太くんがふてくされた顔をして言った。
「なに話してたの」
「え? なにって?」
どうして颯太くんが不機嫌なのかわからなくて、わたしは戸惑っていた。
「先輩と。なんかスマホ見て、話してたじゃん」
「Tシャツにする写真のこと。意見をもらったの」
颯太くんの目が探るようにわたしを見た。わたしが嘘をついているんじゃないかと勘ぐるような目をしているので、わたしは「ほんとにそれだけなんだけど……」といいわけがましく呟いてしまう。
「……なんで、俺に聞かないの」
「え?」
「理緒は青軍の衣装係でしょ。団長は俺でしょ。なんで俺の意見聞きにこないの」
颯太くんは駄々をこねる子供みたいだった。わたしはなんでそんなに不機嫌なのかわらなくて、とにかく質問にこたえた。
「だって、練習中だったし…。とりあえずの意見として」
「ふーん。……それ以外はなんか話した?」
「それ以外?」
わたしがそれ以外に、なにを渡辺さんと話すことがあるんだろう。逆に颯太くんに質問したいくらいだった。