それから数日後、わたしは応援団が練習している教室に向かった。だいぶ、応援の振りが決まってきたから、写真を撮りにこいと颯太くんに言われたのだ。
そっとのぞいてみると、颯太くんを中心に団員たちが振り付けの確認をしているようだった。真剣な様子に、ひとり部外者が入っていくのが気がひけて、どうしようかと思っていると、後ろから声をかけられた。
「どうしたの? 応援団になにか用?」
振り向くと、そこには黒ぶちめがねの男の人が立っていた。
制服を着ていなくて、私服……だけど、先生じゃない。
「あの……、写真をとりにくるように団長に言われて」
しどろもどろに言うわたしに、その人はゆっくり微笑んで言った。
「ああ、衣装係? だったら、そんなとこにいないで、入りなよ」
と、扉をがらっとあけて、先に入っていった。
「颯太! 衣装係の子が用だって」
話し合いをしていた颯太くんが、こちらを見てぱっと笑った。
一瞬、まるで時間がとまったかのように、その笑顔に見とれてしまう。やっぱり笑うだけで、人をひきつけずにはいられない人っているんだよなーと思う。
「お、理緒! ちょうどいいや、おれたちこれから振りの練習するからさ、適当に撮影して」
わたしはこくりとうなずいて、自分のスマホを取り出した。カメラに設定して、どうやってとるか考えながら、構えていると
「今年は、Tシャツ、写真プリントにするんだって?」
さっきの男の人が声をかけてきた。
そっとのぞいてみると、颯太くんを中心に団員たちが振り付けの確認をしているようだった。真剣な様子に、ひとり部外者が入っていくのが気がひけて、どうしようかと思っていると、後ろから声をかけられた。
「どうしたの? 応援団になにか用?」
振り向くと、そこには黒ぶちめがねの男の人が立っていた。
制服を着ていなくて、私服……だけど、先生じゃない。
「あの……、写真をとりにくるように団長に言われて」
しどろもどろに言うわたしに、その人はゆっくり微笑んで言った。
「ああ、衣装係? だったら、そんなとこにいないで、入りなよ」
と、扉をがらっとあけて、先に入っていった。
「颯太! 衣装係の子が用だって」
話し合いをしていた颯太くんが、こちらを見てぱっと笑った。
一瞬、まるで時間がとまったかのように、その笑顔に見とれてしまう。やっぱり笑うだけで、人をひきつけずにはいられない人っているんだよなーと思う。
「お、理緒! ちょうどいいや、おれたちこれから振りの練習するからさ、適当に撮影して」
わたしはこくりとうなずいて、自分のスマホを取り出した。カメラに設定して、どうやってとるか考えながら、構えていると
「今年は、Tシャツ、写真プリントにするんだって?」
さっきの男の人が声をかけてきた。