ふと、こんなところをクラスの誰かに見られたらどうしようと不安になる。
衣装係にえれなが立候補して以来、誰もが颯太くんとえれなはもうカップル確定と思っている。もともと颯太くんがえれなにしょっちゅうちょっかいを出していたけれど、えれなが自分から衣装係に立候補したことで、ふたりはお互いに好き同士と印象づけられた。
それなのに、わたしが颯太くんとふたりでお茶なんてして、へんな誤解をうけたりしないかな。
わたしは突然不安になって、一気にグレープフルーツジュースを飲んだ。
ずずっと最後まですすったわたしに気づいて、颯太くんが不思議そうな顔をした。
「何焦ってんの」
「もう出ない?」
「来たばっかじゃん」
「ほかのみんなは練習してるんでしょ」
わたしがとってつけたような理由で片付けようとすると、颯太くんがあきれ顔になった。
「衣装のデザインの話、ちゃんとしたいんだよね」
そう言われて、「あ、そうだよね。打ち合わせね」とわたしはとたんに気持ちが落ち着いた。
それはそうだ、何もなく颯太くんがわたしとお茶しようと思うはずがない。
自分の自意識過剰さにほとほと呆れ、すこし落ち着かなくてはと思いながらいすに座り直すと、颯太くんが切り出した。
衣装係にえれなが立候補して以来、誰もが颯太くんとえれなはもうカップル確定と思っている。もともと颯太くんがえれなにしょっちゅうちょっかいを出していたけれど、えれなが自分から衣装係に立候補したことで、ふたりはお互いに好き同士と印象づけられた。
それなのに、わたしが颯太くんとふたりでお茶なんてして、へんな誤解をうけたりしないかな。
わたしは突然不安になって、一気にグレープフルーツジュースを飲んだ。
ずずっと最後まですすったわたしに気づいて、颯太くんが不思議そうな顔をした。
「何焦ってんの」
「もう出ない?」
「来たばっかじゃん」
「ほかのみんなは練習してるんでしょ」
わたしがとってつけたような理由で片付けようとすると、颯太くんがあきれ顔になった。
「衣装のデザインの話、ちゃんとしたいんだよね」
そう言われて、「あ、そうだよね。打ち合わせね」とわたしはとたんに気持ちが落ち着いた。
それはそうだ、何もなく颯太くんがわたしとお茶しようと思うはずがない。
自分の自意識過剰さにほとほと呆れ、すこし落ち着かなくてはと思いながらいすに座り直すと、颯太くんが切り出した。