応援団長と衣装係としてこうして連日一緒にいると、颯太くんが意外と気遣いの人なのだとわかる。

昨日の採寸も思っていたより早く終わったけれど、それも颯太くんのおかげだ。

颯太くんはただ早く練習に戻りたくて、たらたらやってるわたしをみかねたのかなって思ってた。でも、その一方で、男の子と接することに慣れてないわたしの恥ずかしがる気持ちを察して、負担を軽くしようとしてくれたんじゃないのかなって、気もする。

今日だって、チア部も応援団も練習があって、わたしがひとりで買い出しに行くことになりそうだったのを、ひとりじゃいろいろ迷うだろうからって颯太くんが自分から一緒に行くと言ってくれた。
結局、衣装係の仕事をほぼわたしひとりでやらなくてはならなくなりそうなのを、助けてくれているのは颯太くんなのだ。意外と優しいんだよな…と思いながら、その後ろ姿を見ていたら、颯太くんがこちらを振り向いた。

「ぼーっとすんなー。ちゃんと探せ」