『この場所で、もう一度始めたい』
そして、少し考えて、もうひとつ文章を付け加えた。
『話したいことが、たくさんあるよ』
ふと窓の外を見ると、ちょうど颯太くんが登校してきたところだった。
わたしは写真をアップした。
と、颯太くんが驚いた顔をして、お尻のポケットからスマホを取り出すのが見えた。
立ち止まって、スマホを見ている。
わたしは思わず微笑んだ。颯太くんはわたしが写真をアップしたらすぐわかるように、通知がくるように設定してくれていたんだ。
そして、通知がくるとああやって、すぐ見てくれていたんだね。
スマホを見ていた颯太くんが突然顔を上げ、きょろきょろとあたりを見回した。
二階から見ていてもあわてふためいているのがわかる。
そして、わたしのいる窓を見上げる。目をこらすようにして、こちらを見た。
わたしは目をそらさずに颯太くんを見つめた。