翌日、わたしは早めに登校した。

一度は完全に水につかったわたしのスマホだけど、電源を入れ直してみたら、まだ生きていた。
放課後、新しいものに取り替えてもらいに行こうと思っていたけど、その前にどうしてもやらなくちゃいけないことがあった。

わたしははじめて颯太くんと言葉をかわした図書室に行った。

窓の外をみると、あの頃は葉桜だった桜はほとんど葉が落ちてしまい、乾いた枝だけの姿になって、もうすぐ冬がくることを知らせていた。

わたしはスマホを取り出すと、できるだけあの時と同じ構図になるようにして写真を撮った。

そして、インスタグラムの新しいアカウントをひらいた。

ひさしぶりの投稿に胸がわくわくする。

新しいアカウントが生まれたこと、もうわかってるかな。ちゃんと気づいてくれてるかな。