図書館で勉強しているわたし。『すげえ集中してる。いつ気づく?』

夏祭り、金魚すくいの水槽の前に座っているわたし。

『自信なさそう。っていうか、こういうの下手そう』

ショッピングモールでえれなとかき氷を食べているわたし。

『笑ってる顔がすーごくいい。ずっと見ていたい』

ブランコに座っているわたし。『見つけた。よかった。セーフだ』

そして、最後の写真は、激しく言い合った日の写真だった。わたしが颯太くんを決定的に拒絶した日。

少し離れて、前を歩く私。写真を見てもわかる。後ろ姿が完全に心を閉ざしてる。

『もうひとりで泣かせたくない』

わたしはもう耐えられなかった。
こらえようと思っても、次から次へと涙がこぼれるのをとめることはできなかった。

あの時、颯太くんはわたしがどんなに拒絶してもあきらめなかった。
まさかこんな風に思っていてくれてたなんて……。

そんなわたしの肩をえれなが抱いた。

「こんな風に思われて、それでもまだわたしなんてって言うの? うらやましいよ、ほんとに。これ見たら、颯太がどれだけ理緒のこと大事に思ってきたかわかるじゃん」

わたしは泣きながら、ただうんうんとうなずいた。

「これ見たときは、ほんとにショックだったけど……、でもね、おかげでふっきれた。だから、その後はずっとうまくいくといいなって思ってたよ。ほんとだよ」

「えれな……」

「あとね、理緒のインスタ、あれはわたしは見ない。フォローもしない」

「…………」

「だってさ、ずーーーーっとこんなに近くにいるんだよ、わたしたち。インスタ見て、はじめて理緒の気持ち分かるなんて悔しいよ。ちゃんと目の前の理緒を見て、気持ちわかるようになりたいよ」

「……うん」