覚えてる、ゲリラ豪雨が降ってきたあの日、えれなも颯太くんもなんだか変だった日。
わたしはてっきり颯太くんがえれなに告白したんじゃないかって思ってたけど…。
「その前から、何回か颯太が理緒の写真とってるとこ見たことがあったんだよね。理緒を見つけるとすぐに声をかけないで、しばらく様子を見てるわけ。で、その様子を写真にとって、それから声かけるの。理緒は写真とられてるなんて気づかないから、すごく無防備でさ」
写真を撮られてるなんて、考えたこともなかったから、全然警戒してなかった。
「だからそのとき、颯太に『ストーカーみたいなことしてるって理緒に言いつけるよ!』って言ったんだよね。そしたら、颯太あわてちゃって、もう必死でわたしの腕つかんで、ちゃんと説明するからって」
わたしが見たのはちょうどその時だったんだろう。わたしはてっきり、颯太くんが告白するために、えれなを連れ出したのだとばかり思ったのに…。
「で、颯太がこのアカウントのことを教えてくれたわけ」
フォロワーも誰もいない、颯太くんだけのアカウント。
「四月から始まってるよね、これ。こんなときから颯太は理緒のこと見てたんだなって思ったら、勝ち目ないなって思っちゃってさ」
「………」
わたしは写真を一枚一枚見た。
『写真とるときはいつも真剣』
『腹へってたこ焼き待ち中w』
『寝ちゃってる。本当におつかれさま』
それは記録だった。颯太くんがわたしを見つめていてくれたという、記録。
体育祭の夜、ひとりで教室の窓から花火をするみんなを見つめている写真もあった。
『見なくてもわかる。泣いてる。おれは星がそこにいることを知っているのに』
わたしは胸が苦しくなった。
わたしはてっきり颯太くんがえれなに告白したんじゃないかって思ってたけど…。
「その前から、何回か颯太が理緒の写真とってるとこ見たことがあったんだよね。理緒を見つけるとすぐに声をかけないで、しばらく様子を見てるわけ。で、その様子を写真にとって、それから声かけるの。理緒は写真とられてるなんて気づかないから、すごく無防備でさ」
写真を撮られてるなんて、考えたこともなかったから、全然警戒してなかった。
「だからそのとき、颯太に『ストーカーみたいなことしてるって理緒に言いつけるよ!』って言ったんだよね。そしたら、颯太あわてちゃって、もう必死でわたしの腕つかんで、ちゃんと説明するからって」
わたしが見たのはちょうどその時だったんだろう。わたしはてっきり、颯太くんが告白するために、えれなを連れ出したのだとばかり思ったのに…。
「で、颯太がこのアカウントのことを教えてくれたわけ」
フォロワーも誰もいない、颯太くんだけのアカウント。
「四月から始まってるよね、これ。こんなときから颯太は理緒のこと見てたんだなって思ったら、勝ち目ないなって思っちゃってさ」
「………」
わたしは写真を一枚一枚見た。
『写真とるときはいつも真剣』
『腹へってたこ焼き待ち中w』
『寝ちゃってる。本当におつかれさま』
それは記録だった。颯太くんがわたしを見つめていてくれたという、記録。
体育祭の夜、ひとりで教室の窓から花火をするみんなを見つめている写真もあった。
『見なくてもわかる。泣いてる。おれは星がそこにいることを知っているのに』
わたしは胸が苦しくなった。