そして、あるアカウントをわたしに見せる。

「これ見ても気の迷いって言える?」

アカウント名は、「TORIO_STAR」

「トリオ……?」

わたしはまず一覧を見て、はっとした。そこにうつっているのは、制服姿の女子高生の後ろ姿ばかり。そして、それは……わたしだった。

渡り廊下で何やら窓に向かって写真をとっているわたし。

授業中ぼんやり外をみているわたし。

家庭科室でミシンと格闘しているわたし。

公園のベンチにすわっているわたし。

机につっぷして居眠りしているわたし。

夜の教室で窓の外をみているわたし……。

「なに、これ……」

「理緒だよ」

「え? なに? こわい、なに?」

怯えるわたしに、えれなが笑い出した。

「そうだよねえ、こわいよね。ちなみに、トリオじゃなくて、to Rio だね」

「わたし?」

「そう。それ、颯太のアカウントだよ」

「え?」

わたしは仰天した。

写真の数はそんなに多くなくて100くらい。

でも、まさかわたし、自分がこんなに撮られているとは全然思っていなかったから、驚くことしかできなかった。

「夏休みに入る前くらいに、わたし追試の結果のことで先生に呼び出されたじゃん。で、戻ってきたら、颯太が昇降口で外を見てる理緒の写真を撮ってたの」

「え?」