「なんで理緒は気持ちおさえてんのかなって思ったら、わたしが颯太のことを好きだって言ったからだ! って思い当たって。まあ、わたしが颯太の気持ちを教えてあげれば早かったのかもしれないけど、やっぱりそれはできなかったんだよね」

「えれな……」

「やっぱりちょっと悔しい? っていうか、悲しいっていうか。ねえ」

 えれなもわたしと同じような気持ちを味わっていたなんて……、信じられない。

「わたしは颯太のこと好きになっちゃったって、最初から理緒に打ち明けてたでしょ? なのに理緒は、わたしに話してくれないんだなって。ちぇって思ってた。いつになったら、話してくれるかなーって思って、待ってたんだよ」

「……」

「そしたら、今度は秘密のインスタが出てきちゃって」

「あ……」

「もう大ショックだったよ、ほんとに何も言ってくれないんだなあって。信用ないんだなあって。それで、ついきれちゃったの。ごめんね」

わたしはただただ首を横にふった。えれなが謝ることなんて、何もない。

「冷静に考えたらわかるよ、颯太のこともインスタのことも、わたしに言いづらかった理緒の気持ち」

「……」

「でも、本音を言うと、やっぱりちゃんと話してほしかった。理緒の口から聞きたかった」

「ごめん……」

えれなの気持ちを考えていたつもりだったけど、結局は傷つけることになってしまった。

「あたしたち、けんかしたってそれで簡単に壊れたりしないじゃん。何年一緒にいると思ってんの。でしょ?」