わたしは必死で言葉を探した。
言葉をつなげて、なんとか、えれなに渡したかった。
わかってもらえるかはわからないけど、でも精一杯伝えなくてはとその気持ちだけだった。

「最近全然インスタやってないんだって?」

「もうやめた」

「なんで?」

「……」

「わたしのせい?」

えれなが傷つくとわかってて、続けるほどわたしは図々しくない。

「颯太にきいたよ。写真集を出す話が出てるって」

「あ……」

「すごいじゃん。自分の本が出るなんて」

「でも……お断りするつもり。もうそう伝えてるの」

意図していないのに、小さい声しか出なかった。写真集のことまで伝わってしまっているなんて、えれなはどう思っているのか想像もできなくて、不安だった。

「どうして」

「……どうしてもやりたいことじゃないし。インスタのことでえれなとこんなにこじれた後で、写真集なんて……、できないよ」

「理緒」

聞いていたえれなが、ぽつりとつぶやいた。